やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
22
逃げようとしたのに失敗して、変態の空き巣に気付かれてしまった。
忍び込んだ部屋の住民に見つかったのに、逃亡するのではなく、笑っているのは居直り強盗に変更して、口封じをするためか。
もう遅いとは思ったけれど、悲鳴を上げようと私は大きく息を吸い込んだ。
「お帰りなさい!」
「……ゴホッ、ゴホ」
キャー!と、辺りに響かせるつもりの息の吸い込みが、嬉しそうに露出狂から『お帰りなさい』と声をかけられたことで、途中で止まって行き場を失い、吐くか吸い込むか、どっち付かずになってむせた。
「どうした、大丈夫か!」
私が軽い呼吸困難に陥って咳き込んだので、その一瞬だけ変態は表情を変えて、私の方に手を伸ばしてきたので、その手を叩き落とした。
心配するような素振りから凶悪犯じゃないような気がしてきたから、追い出しにかかることにする。
「触らないでよ!
今すぐ、ここから出ていって!」
「……」
「出ていかないと、叫ぶからね!
早く出ていけ!」
「やだなぁ、お恥ずかしいところ見せちゃったから、怒ってるんだね!
どこに出掛けてたの、ディナ?」
忍び込んだ部屋の住民に見つかったのに、逃亡するのではなく、笑っているのは居直り強盗に変更して、口封じをするためか。
もう遅いとは思ったけれど、悲鳴を上げようと私は大きく息を吸い込んだ。
「お帰りなさい!」
「……ゴホッ、ゴホ」
キャー!と、辺りに響かせるつもりの息の吸い込みが、嬉しそうに露出狂から『お帰りなさい』と声をかけられたことで、途中で止まって行き場を失い、吐くか吸い込むか、どっち付かずになってむせた。
「どうした、大丈夫か!」
私が軽い呼吸困難に陥って咳き込んだので、その一瞬だけ変態は表情を変えて、私の方に手を伸ばしてきたので、その手を叩き落とした。
心配するような素振りから凶悪犯じゃないような気がしてきたから、追い出しにかかることにする。
「触らないでよ!
今すぐ、ここから出ていって!」
「……」
「出ていかないと、叫ぶからね!
早く出ていけ!」
「やだなぁ、お恥ずかしいところ見せちゃったから、怒ってるんだね!
どこに出掛けてたの、ディナ?」