やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 ディナ、と呼ばれた?
 そんな愛称で呼ばれたことはない。
 一般的に私の名前の愛称はジェリーか、ディナが多いが、キャンベル家ではカルディナと言う名のメイドが既にディナと呼ばれていたので、後から生まれた私はジェリーだった。

 ディナと呼ぶと言うことは、私の名前を知っているこの女は初対面じゃない? 
 こんな物凄い素顔美人で、巨乳の、ナイスな身体を持つ変態が知り合いに居た?

 超高速のスピードで父方の親戚、母方の親戚、領地、王都、幼小中高大、思い付く限りの知人女性のメイク無しの素顔を推測しながら思い浮かべて行くが、どれにもヒットしない。


 いやいや、この際、どんな関係者だろうと許せない。
 どう考えても、いくら知り合いであっても、招いていないのにウチの中に居るのはおかしいでしょ、全裸で!
 お帰りなんて、馴れ馴れしくされても、この女に見覚えはないし、ここは強気で行くしかない。


「あんた、誰よ?
 パピーに変な真似していないでしょうね!」

「えー、パピーに変な真似なんて、しないわよぉ。
 だって、あたしがパピーなんだもん!」


 自分はパピーだと主張する黒髪美女の金色の瞳が光った。
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