やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

25

 この世界には、魔法は確かに存在していて。
 王都にはそれに特化した魔法学院があって、生まれながらに魔力を持った子供達は各地から集められていた。
 学院を卒業した彼等は、魔法士と呼ばれ、特に能力に秀でた魔法士は王族の専属になったりもして、とにかく魔法士はエリートだ。


 残念ながら、キャンベル家にはその能力を持つ者が居らず、わが一族からはひとりの魔法士も生まれていなかった。
 勿論私にも、その贈り物は神様から戴けなかった。


 魔力や魔法とは縁が無さすぎて恐れも興味も持たずに、これまでを過ごしてきた私に。
 どんなご縁があって、エリートである魔法士の魔女と親友になるのかは想像も出来ないけれど。


 あのふたりの名前や昨夜のサプライズ婚約を、魔女に話したことがあるのだろうか?
 となると、魔女とはとても仲良しだった……んだよね?
 それを証明するために、魔女はモニカ達の名前を出した。
 その後には『昨夜の貴女を助けたくて』と言った。
 一体、何から助けたかったと言うの?
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