やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 叔父家族に使用人扱いされている『ノックスヒルの聖女』のお仕事と言えば、病院や孤児院への定期的な慰問。
 後は読書をしたり、お菓子を焼いたり……
 そんな毎日から助け出してくれる王子様にお嫁入りするまで、のんびりしていられたのに。

 1年前に意地悪な叔母が追い出すために用意した条件の良い縁談を蹴って、急に王都へ出て働くと宣言した。
 そして自分を妬んでいる従妹の祖父が借りた大学生が住むにしては贅沢過ぎる部屋に転がり込んできた。


 仕事先を祖父が経営する洋菓子店や百貨店での見た目が綺麗な仕事を選ばず。
 田舎の伯爵とは言え、貴族階級のご令嬢が早番なら早朝4時半出勤!のパン屋で働いていたのは、分り易い健気さアピールでシドニーを狙っていたからだろう。


 綺麗な菫色の瞳に儚げな雰囲気を纏うモニカは領内で、老若男女問わず、人気があった。
 虐げられている、という噂の彼女を助けようと言う男性はたくさん居たと思う。
 それなのに、わざわざこっちに来て、シドニーと付き合うようになったのは、多分私への当て付け。
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