私の全てを盗んで、愛して
事件は突然
鳥のさえずりがさらりと流れ込んでくる。
カーテンの隙間から漏れ出す朝日がとてつもなく眩しい。
すると、ドアのギィという音で目が覚めた。
ドアを開けたのは、お母さんだった。
「ねぇ、まだ朝の五時だよ?休日だし、もうちょっと寝かせてよ」
「でも、お客さん来てるわよ!」
誰かに会う約束なんて全くもってしていなかった。でも、可能性があるとすれば、、、。
わたしは勢いよく布団を捲り起き上がった。
「それって、金髪の人?」
「金髪で、赤色の目をしてる子!とても綺麗な男性?なのかしら」
(え?目はブルーだった気がするんだけど)
とりあえず待たせるのも悪いと思い、軽く外に出られる服を来て、玄関にダッシュした。
玄関のドアを開けると、そこには見知らぬ人が突っ立っていた。
「よぉ、お前が夕凪の運命の人か、間抜けな顔してんのな」
「はぁ!?急に来てそれは失礼でしょ?というか貴方は夕凪とどんな関係なんですか!」
彼はふっと笑って「そんなのもわかんねぇのか」と見下しながら言った。
「俺は〜夕凪のオニイちゃん、ってやつ?」
血の気が引いていくのが分かる。
この人が失礼なのは、わかるけど私も大概に失礼だった。
「ほらぁ、今の態度何か言うことあるんじゃねぇの?」
「、、、。す、すみません、、、、でした、」
私は渋々謝った。