私の全てを盗んで、愛して
私の家に着き、夕凪を家に入れてあげた。
上がってすぐ夕凪は、お母さんに挨拶しては私の部屋に向かった。
「へぇここが波留の部屋ですか。可愛い部屋ですね」
咄嗟に顔を隠す。照れているのがバレたらまたからかわれてしまうかもしれない。
「もう、顔隠さなくたって照れてるのくらいわかりますよ」
これはかなり相手が悪かった。
私は気を取り直して勉強しようと課題を準備する。
「よし!じゃあ夕凪、教えてください!」
「はーい、じゃあ俺のことは先生って呼んでくださいね」
あまり調子にのってしまうと、今みたいに変な条件を出されてしまう。
「は、はーい先生、、、、」
そう返事すると、とても満足気に教えてくれた。先生波に教えるのが上手くて私は正直びっくりした。
「ーんで、ここはこの数式を使ってー」
「やったー!やっと終わった、、、」
気づけば辺りはオレンジに染まっていた。
そろそろ夜ご飯ができるということで、夕凪も一緒に食べていいか聞くとあっさりOKされた。
早速、夕凪をリビングに誘導する。
食卓にはもえご飯が用意されていた。
今日は、唐揚げと野菜がメインだ。
今日は、お父さんがいない代わりに夕凪という変わったメンツで食卓を囲んで食べた。
気がつくと、夕凪とお母さんが話し始めてした。
「ねぇ、貴方は波留とどういう関係で?」
「実は、僕の好きな人なんですよ、、」
二人はわざと私に聞こえるような声で、互いに話していた。
「っ!私は好きじゃありません!!」
お母さんはふふふっと笑って私たちを眺めていた。
「僕の片思いって感じですかね」
(それも違うのに、、、)
言葉をしっかり飲み込んだ。
夕凪はご飯を食べ終わると、「お邪魔しました」といって家を出て行った。
どこか寂しかったけど、毎晩くるって言ってたし我慢しなきゃいけないと思い私は歯磨きをした。
私は早めにベットに転がり、電気を消して明日への向かった。