私の全てを盗んで、愛して

噂の怪盗吸血鬼

私たちの街には
ヴァンパイア（吸血鬼）が潜んでいるらしい。

その噂は凛涼高校でも
いや世界でも広がって、有名なのだ。


その噂というのは、、、

｢夜に誰かを毎晩探し求め手紙を送っているらしい、、、。その謎の手紙が届くと、その日の晩にヴァンパイアがきて、襲われちゃうのっ！！｣


私を怖がらせようと親友の優が、噂話を話しはじめた。
正直、馬鹿らしいと思いつつも興味はある。

｢この話、まだ続きがあって、、、｣

｢え？私それ以外の噂なんてしらなー」

｢実は、イケメンヴァンパイアなんだって！？｣

私の言葉を遮って優が語り出した。

｢運命の人、羨ましいよねぇ！悔しい！
だって、私も１回来たことあってね、お面被っててもわかるイケメンオーラっ！私この人に血盗まれて、気づけば心まで盗まれちゃった！｣

長々と話す中、ふと気になった。

｢ちょっとまって？｣

優は、｢何が？｣と首を傾げていたが私は絶対に聞き逃さなかった。

｢優のとこ、そいつ来たの？｣

そう聞くと、｢言ってなかったっけ？｣と言われますます思考が宇宙にでも飛んで行ってしまった。


みんな、イケメンな吸血鬼にだったら血盗まれたって何ともいわないのなんでだろう。

普通に考えて、血吸われるなんて迷惑な話でしかないんだけど、、、。