ナミダ花火
視界がだんだんと、ぼやけていく。
今まで信じて待っていた自分が、本当にバカだ。
できることならばずっと大地のことを信じていたかったけど、さすがにもう無理。
堪えていた涙が、頬を伝う。
ここでは、泣きたくなかったのに。
一度溢れてしまった涙は、滝のように止まらなくなる。
せっかくの年に一度の花火も、涙で見えなくなっていく。
大地に彼女ができたのなら、私はもう大地と一緒に花火を見ることはできない。
夏の花火だけでなく、大地への恋も。
今日でもう、終わりにしなくちゃいけないんだ。
「……バイバイだね、大地」