ナミダ花火
「……鈴華?」
私がしばらく一人で泣きながら花火を見ていると、後ろから落ち着いた低い声に名前を呼ばれた。
「え?」
振り返ると、大地と彼女が私のそばに立っていた。
「うそ、大地。なん、で……?」
「鈴華、やっと見つけた」
なんで大地が、金髪ショートヘアの彼女と一緒に私の目の前にいるの?
あまりにも予想外のことに、涙も引っ込んでしまった。
ていうか、大地の彼女さん。近くで見ると、本当に綺麗。
浴衣美人って、こういう人のことを言うのかな。
「大地。鈴華ちゃん、見つかって良かったね」
「ああ、サンキュ」
「それじゃあ、あたしはここで。またね、大地」
パチッとウインクして、金髪ショートヘアの女の人が去っていく。
「え、ちょっと大地。彼女さん、行っちゃったよ? 追いかけなくていいの?!」