ナミダ花火


私がレイナに見せたのは、大地が同世代くらいの金髪ショートヘアの女の子と肩を寄せあい笑っている写真。


SNSに投稿されたその写真の下には、
【彼女♡】との文字が。


「まさか、あの大地くんに彼女ができたの?!」

「ちょっとレイナ。声が大きいよ」

「ごめん。でも、彼女って書いてあるからびっくりしちゃって」


……う。


レイナに “ 彼女 ” と、こう何度も言われると傷つくな。


「ねぇ鈴華。これはきっと、何かの間違いじゃないの? あの大地くんに限ってそんなことは……」

「私も、そう思うんだけど」


私は、手元にあるスマホに目をやる。


私のスマホには、サッカーボールのストラップがついている。


これを見て思い出すのは、中学の卒業式のときのこと。


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