ナミダ花火
──卒業式のあの日から、このストラップは私の宝物になった。
「鈴華、顔にやけてる」
「うそ!?」
レイナに声をかけられ、私は現実の世界へと引き戻された。
「中学の卒業式のときのこと、思い出してたの?」
「うん、そう」
「よっぽど嬉しかったんだね。大地くんに、“俺の一番大事な女”って言われたのが」
ニヤニヤ顔のレイナに小突かれる。
……大地に、今まで私のことを好きって言われたことはないけれど。
『お前は俺の……一番大事な女だから』
あのときの大地の言葉を、私はやっぱり信じたいって思う。
私は幼い頃からずっと、大地のことが好きだから。
自分の好きな人のことを、信じるよ。
「ねぇ、鈴華。この際思いきって、大地くんにメッセージ送ってみたら?」
「え!?」