沼甘総長は、左手の薬指を独占したい


「フッ、てんぱりすぎ」



あれ?

今、東条くんに笑われた?



「相変わらず、可愛い奴」


「かっ…、かわいい?」



「こんなに大好きな女と、観覧車に二人きりとか。幸せ以外のなにものでもないな」



「/// /// ///」





真横に座ったまま、優しく微笑んでいる東条くん。

ワイルドで甘い視線を、私の瞳に突き刺してくる。



そういうの……やめてよ……



大好きな人を愛でるみたいに、熱っぽく見つめるとか。

幸せをかみしめるように、ゆるっと微笑むとか。


東条くんの綺麗な瞳から、目が離せられなくて

ドキドキが加速して



心臓……壊れちゃいそう……






「姫野が男友達じゃなくて、本当に良かった」


「どうして?」


「こんな甘いこと、大好きな女以外にはできないから」

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