沼甘総長は、左手の薬指を独占したい


「なんで夏祭りに来た?!」



声が荒ぶってしまうのは、もはやしょうがない。



「そっ…、それは……」


「もう話しかけるなって俺を突き放したのは、オマエだろうが!」


「だって……約束……したから……」


「自分から俺を拒絶しておいて、今さら約束ってなんだよ!」



浴衣をかわいく着飾って、夜のベンチで一人、花火を見上げてたよな?


去年みたいに変な男に絡まれて、闇に連れ込まれるかもしれないだろ!



はぁぁぁぁ~~


自分の可愛さ、ちゃんとわかれ……


危なっかしいこと、してんじゃねぇよ……


心配で、たまんないから……

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