スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



「お、お祖母様」

「ぎこちないけど、合格ね。まぁ、これからいっぱい呼んでちょうだいな……そう、そう。とりあえず座ってちょうだいな」


 後ろに控えていた使用人の方が椅子を引いてくださってそれに座った。私は「ありがとう」と言うと、彼女は照れたように微笑んで先ほどと同じように後ろに下がる。


「お茶の用意は出来てる?」

「えぇ。いつでも大丈夫です」

「今日はね、千愛さんのために英国から取り寄せた紅茶と最近できた洋菓子店のケーキを取り寄せたのよ」

「そうなんですね……私のためにありがとうございます」

「いいのよ。あなたのためなんですもの」


 そう言って自慢げに言えば隣にいた和成さんが「それ頼んだのは僕ですよ。それにお祖母様が言ったんじゃなくて提案も僕です」とお祖母様に言った。


「そんなブツブツ言う男は嫌われますよ、和成」

「はい? 本当にお祖母様は……」


 なんだか二人の会話が面白くて思わず「ふふっ」と笑ってしまった。その瞬間、二人がこっちを見たので心の中でしまった……と思い、謝る。


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