スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。


  ***


 それから時間は流れて一ヶ月が経った。

 私は、ただこの豪邸で過ごしているわけではなくご令嬢教育というものを学んでいた。今はテーブルマナーを学んでいる。


「そうですね……音、鳴らなくなりましたね」

「本当ですか?」

「えぇ。最初はゼロからだったんですもの。ダメかと思ったのですが、継続は力なりですね。礼儀作法の先生もほめていらっしゃいましたよ」


 それは嬉しい。だって、礼儀作法の先生は本当に鬼のように厳しい先生だったから。

 先生方のおかげでなんとかお嬢様っぽくはなったかと思う……多分。
 私はが礼儀作法にテーブルマナー、着付けなどは来月にあるお祖母様の誕生日パーティーで私をお披露目するため。確か、メディアも入るため不躾なことはできない。

「ですが、エスコートは和成さんでしょう? 和成さんとなら、大丈夫よ。あの人、全て完璧だから」

「確かにそうですね……本当に素敵な方だと思います」

 そんな話をしていると、そこに和成さん本人がやってきてなんだか笑ってしまった。
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