スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「千愛さん! すもも大福を三つとこの琥珀糖ひとパックちょうだい」
「いらっしゃいませ! ありがとうございます」
私はパックに詰めてビニールに入れるとお会計をする。
「すもも大福、ずっと楽しみにしてたのよ〜」
「そうなんですか? ありがとうございます。楽しんでいただけますように」
「ありがとうね」
常連の方が数名きてくださってほとんどなくなってきた頃、予約のお客さんがやってきた。
「こんにちわー」
「いらっしゃいませ、大宮様ですね。上生菓子出来ていますよ」
大宮様はよくいらっしゃる和服をきている男性だ。なんの職業をしていらっしゃるのかわからないけど、とてもオーラがあるし何か立派な仕事をされているに違いない。