スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「千愛……とても綺麗だね」
「ありがとうございます、和成さん。亜美がとても素敵に仕上げてくださいました」
私が亜美の名前を呼べば、少し照れたように微笑んだ。
「そうか。亜美、ありがとう……下でお祖母様が待っているから行こう」
「はい。……じゃあ、行ってくるわね」
亜美は「お気をつけて」と言うと、部屋から出るまで見送ってくれた。
私と和成さんは玄関に近いリビングへと向かう。私の部屋は二階なので螺旋階段で降りると、リビングにはお祖母様を引き立てるお着物姿のお祖母様がいた。
「千愛、和成。待ってたわ……千愛、素敵ね。綺麗だわ」
「ありがとうございます」
「和成は……相変わらずイケメンね」
「それはどう言う意味ですか、お祖母様」
「そのままの意味よ。褒めてるんだからいいでしょ?」
和成さんとお祖母様はいつものように戯れ合っていてクスクス笑っていると「さ、行きましょ」とお祖母様が言えば、和成さんが私をエスコートしてくださった。