スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。

 
 会場に入ると、そこはロビーと比べられないくらい煌びやかでシャンデリアは二つあってキラキラと光っている。
 中央には、高級感のある壇がある。今からダンスでも踊るの?と思うくらいのオーケストラの方が揃っており、綺麗な音色が響いていた。


「……あ、社長だわ。いつもながら品がおありになって綺麗だわねぇ」
「そうね、本当にうっとりしてしまうわ……!」


 まず、先頭を歩くお祖母様に注目が集まる。お祖母様は女社長でありながらとても人気があり、貴婦人にもキャッキャと言われている。

 次に注目が集まるのは……やっぱり、和成さんだ。彼は御曹司であり副社長の立場を持っている。彼の妻になりたいと思う人は多いと思う。そして――


「……あれが、噂の女性ではなくて?」
「本当ね。和成さんにエスコートされているわよ……不釣り合いではなくて?」


 うん、わかってますよ。私は美人じゃないですしね……それに、和成さんとどうこうなろうだなんて思っていないし。
 私は、従兄としか思っていないし彼も従妹だとしか思っていないだろう。


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