スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「あの、私は由良乃千愛になりました。由良乃家の孫です」
「……っ、え、じゃあ、もしかして和成の――」
大宮さんの言葉を遮るように「……俺の可愛い従妹だよ」と戻ってきた和成さんが言った。
「和成さん」
「一人にしてすまない。って、チカと知り合い?」
「知り合いってほどでは……お店の常連さんだったんです。和成さんは?」
「簡単に言えば、幼馴染だ。ちなみに、幼稚園から大学までずっと一緒でまさかの同じクラス」
幼馴染、かぁ……。というか、ずっと同じクラスってすごいなぁ。