スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。


  ***


 パーティーが無事終わった数日後のこと。


「……え? 茶会に?」

「そうよ」


 私はお祖母様に呼び出されて久しぶりのお茶会をしていた。


「でも私作法とかわからないですし……うまく立ち回れるかどうか」

「それは大丈夫よ。今回はテーブル煎茶だから、作法は気にせずでいいのよ」

「テーブル煎茶? テーブルの上でするんですか?」

「えぇ。だから、そんな緊張しなくてもいいのよ。それに煎茶家本人からの直々の招待なの」


 煎茶家……煎茶道を極めている方から?

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