スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。


 ***


 お稽古をして毎日過ごしていると、私はお祖母様に呼び出されて彼女の書斎に訪れていた。

 書斎には一度だけ入ってことがあるくらいで二度目だけどキョロキョロしてしまう。


「さぁ、どうぞ。お茶よ。それといただいたげんこつ飴」

「ありがとうございます……いただきます」


 綺麗な緑色のお茶はふわりといい香りがして一口飲めば旨みと香りが絶妙にマッチしていて後から甘味と渋みがいい感じにくる。美味しい。それと合わせてげんこつ飴が甘くて緑茶ととっても合う。


「お祖母様、美味しいです」

「そう? よかったわ。最近はどう?」

「はい。とても楽しいです。お花のお稽古も好きですし、着付けも少しは上手になったんです」

「そうなのね。それはいいことだわ」


 それからも最近のあれこれを根掘り葉掘り聞かれてそれに答えるを続けると「……本題を話してもいいかしら」とお祖母様は問いかけた。

 私が返事をして頷くと、お祖母様は四つ折りされた紙と一枚の写真を持ってくる。


「これは……?」

「あなたに縁談のお話です」


 えん、だん……えんだん……縁談!?

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