スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「……こんにちわーお邪魔します」
日本家屋の立派なお家に入ると「千愛さん」と声をかけられる。
「先生、こんにちわ。今日もよろしくお願いします」
「うん。よろしくねー……じゃあ、更衣室で着替えていつもの和室にお願い」
「わかりました」
私は玄関を上がり、廊下をまっすぐに進む。突き当たりに小さな和室がありそこが更衣室で浴衣に着替える。浴衣はくすんだピンク色に繊細なラインで百合の模様が描かれていてモダンでエレガントな浴衣だ。それにベージュの半帯をして荷物をまとめて更衣室から出て左を曲がれば稽古室の和室に入室をする。