スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「何これ……って、なんか私が婚約破棄を申し出たって書かれてる……」
なんで私の評判を下げるようなことが書かれているわけ!?
「あ、あの! お祖母様、会社には、由良乃製茶には影響してないですか?」
「あぁ、そこら辺は大丈夫だよ。会社のことは気にしなくていい。だが、そのうちここにメディアがくると思う。だから千愛は、大宮さんのお宅で世話になりな」
「……え?」
二人は勝手に話を進めていて、荷物は後で届けると言うことになった。そして大宮さんはお祖母様に「では、千愛さんをお借りしますね」と言えば、お祖母様はそれに頷いた。
本当に、大宮さんの家に行くの!?と不安になった。
だけど、大宮さんは「行こう」と言って私を連れて家を出た。