スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「さぁ、行こうか」
「はいっ」
車から降り、大宮さんにエスコートされてお店に入る。お店はとてもラグジュアリーな空間でキラキラしている。そして案内されたのは個室で二面が大きな窓の各部屋で夜景が綺麗なところだった。
「――こちら、千葉県産の稚鮎のフリットにキャビアのカナッペ、ジンライムときゅうりのかき氷になります」
ウェイターさんは、アミューズから持って来て一つずつ丁寧に説明してくれた。一品一品が綺麗に盛り付けられていて、とても美味しそうだった。
それからも料理が運ばれて来て、生潤菜とリコッタチーズのパルフェ北寄貝のアスピック、マッシュルームのパイ包み、ヤリイカとホタルイカの炭火焼きに菜の花ソースが添えられていた。
「……美味しかった?」
「はい、とっても。こんな素敵なお店に連れて来てくださってありがとうございます」
「まだデザートもあるよ」
デザート……!楽しみ!
ワクワクしながら待っていると、デザートがやってきた。
お皿には小さなホールのイチゴのショートケーキが真ん中より上の方にあってその下には【will you marry me?】と書いてあり、私は大宮さんを見る。
「……由良乃千愛さん、俺と結婚してください」
そう言って大宮さんは婚約指輪を差し出した。