スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



  ***



「……ん〜美味しい! なにこの滑らかさ」


 現在、私と誓斗さんはレストランで食事を楽しんでいた。ただいま、地卵のロワイヤルという洋風の茶碗蒸しを食べている。
 具も柔らかく美味しいがこの卵液というのだろうから卵の味が生かされていてとろけて美味しい。

 次に運ばれて来たのは無農薬野菜のサラダに完熟トマトにフロンワーズマリネ。トマトの甘味と酸味がマッチしてちょうどいい濃厚なトマトに感動する。


「千愛ちゃんは美味しそうに食べるよね」

「えっ、あ、美味しいからです。こういうのはちゃんと挨拶しないといけないですし」

「そっか」


 それからもカンパチの炙りカルパッチョに柚子のヴィネグレットに、大葉とバジルのペペロンチーノなどが運ばれてきてどれも美味しかった。

 
 部屋に戻って一日の疲れを流しにシャワーを浴びて彼の元に向かう。すると誓斗さんもシャワーを浴びに行った。


「……そういえば、今日って初夜だ」


 一緒に暮らしてはいても“結婚式”が終わってからと決めていた。今までは手を繋ぐとかだったから急に緊張する。


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