白虎くんは黒猫ちゃんに弱いらしい
そして、意識が途絶えた黒猫を保健室に運びこんだ。
せめて、と重そうな眼鏡を外そうとした。でも…女の眼鏡を勝手に取るのも……いや!!でもこいつ病人だし…!!
悩んだ末、眼鏡を外したら─────
「は?」
綺麗な顔があった。
綺麗だが、どことなく少し幼さが残った顔は可愛らしさも兼ね揃えていた。
俺は素直に可愛いと思った。
しかし、性格が一番大事だと思う俺はあまり何も思わなかった。
いつの間にか俺は寝てたらしい。三十分くらいか?
そう思い隣のベットを見たら、今ちょうど黒猫も目を覚ましたらしい。
そして、つい恥ずかしくて黒猫の事を「ついで」とか言ってしまった。
黒猫が早退した後、鈴木先生が言った。
「黒猫さん、眼鏡取ったらすっごい可愛かったわね!!女優さんみたいだったわ!!そう思わない?雷明くん♪」
鈴木先生が楽しそうに言った。
「そうですね。僕もそう思います。」
多分黒猫は弱っていたから眼鏡が外れていたことに気づかなかったのだろう。
そして俺は気づかなかった。
気づかぬ間に、黒猫の事を少しずつ意識していたという事に─────