【コミカライズ】竜騎士様の最愛花嫁
「魔法爵の叙爵と王都騎士団の師団長じゃ、まだ不足だったかな?」
「……は?」
「それか、好きな男でもできた? 今すぐ決闘を申し込んで、そいつを塵にしてやろうか?」
「ちょっと待って。何を言って──」

レオの目が全然笑ってなくて、私は焦った。

レオが、誰かに決闘を申し込む?

(相手が一瞬で殺されちゃうわ!)

なにせ、レオは凶悪な魔獣をほぼひとりで駆逐した英雄竜騎士なのだから!
暴力反対。ダメ、絶対!

「ヴァレリオ様、少し落ち着きましょう」
「レオ」
「はい?」
「婚約者なんだから、ヴァレリオじゃなくてレオだろ」

レオは不服そうに口を尖らせる。

(……今、それ大事?)

もう何か何だか訳がわからない。

「レオ」

とりあえずレオの要望どおり、呼び方を変えてみる。

「なんだい。エレン」

すると、レオはそれはそれは嬉しそうに微笑み私の頬を撫でる。
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