【コミカライズ】竜騎士様の最愛花嫁
目元が心なしか赤らんでいるように見えるけれど、きのせいだろうか。

「エレンはずるいな。そんな顔されると、追求できなくなる」
「え?」

ぼそぼそと言ったので、よく聞き取れなかった。

「なんでもない」

素っ気なく言われ、私は首を傾げる。

「ねえ、レオ。迎えはいらないわ。ひとりで帰れるから」
「ダメ。エレンは可愛いから、変な男に絡まれたら大変だ」

レオは大真面目な顔をして答える。
もしかして、目までやられちゃっているのかしら?

「……レオの手を煩わせるのが心苦しいの」

正攻法を諦めて、しおらしくお断りしてみる。

「俺がやりたくてやっているだけだから。俺のことを心配してくれるの?」

レオはやけに嬉しそうに笑う。

「…………」

ダメだ。あなたの邪魔をしたくありません作戦も通じない。
かくなる上は──。

「単刀直入に言うと、迎えには来ないでほしいの」
「え?」

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