LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「練習しないと上達しないでしょ? なら、今やってみようか。俺を客だと思って、やってみて」

 藍は動揺した。今から? 店長と?

「俺は婚約指輪を買いに来た客。愛する人に、指輪を送ってプロポーズするんだ」

「え、えっと……」

「さあ、まずはどこに案内する?」

 瑶煌が立ち上がる。

「こ、こちらへどうぞ」

 藍も立ち上がって婚約指輪があるコーナーへ案内した。藍に拒否権はないようだったから。

「こちらが婚約指輪としてよく贈り物としてご購入されています」

 なんか変な日本語になった、と藍は焦る。

「ゆっくりでいいよ」

 クスッと瑶煌が笑う。藍の体温がどんどん上がっていく。

< 107 / 262 >

この作品をシェア

pagetop