LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「がんばってるところとか」

「私だってがんばってる」

「ひたむきで純粋なところとか」

「あの年で純粋って、社会経験が少ないだけじゃない?」

「そんなに俺のこと否定するなよ。逆に俺のこと好きなのか?」

「バカじゃないの」

「ひどいなあ」

 直哉は苦笑した。

「いつもそうやって軽くあしらって(けむ)にまこうとするからよ」

「軽く、ねえ」

 彼が抱えているのは藍への単純な恋心ではない。だが、それは説明したくない。

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