ＬＥ ＣＩＥＬ ＢＲＩＬＬＡＮＴ 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

「それでもね、ときどき俺もわかってほしくなるわけだよ。つきあう女にも軽いと思われ、軽くないところを見せると「思ってたのと違う」とふられ、結婚を考えた女には「一週間後に結納だから別れて」と言われ」

「なにそれ、初めて聞いた」

「俺も初めて言った」

　瑠璃の驚く顔なんてレアかもしれない、と直哉は思う。

「軽く見えるから軽くつきあっていい人間だと思われるみたいだ」

「発言が軽いから仕方ないわ」

「きっついなあ。それが瑠璃のいいところでもあるけど」

　瑠璃には表裏がない。はっきりしている。それがいいところでもあり、敵を作る要因にもなる。もう少しうまく立ち回る器用さがあればいいのに、と直哉は思う。

「藍ちゃんはさ、いちいち反応してくれるんだよね。俺のこと軽いって思いながらも、軽く受け止めてないっていうか」

　だから、気になってしまう。だから、彼女が心を瑶煌に向け始めていることにも気づいてしまう。