LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 私のほうが先に好きだったんだから。こんなに好きなんだから。

 瑠璃はまた怒りが湧いてくるのを感じた。

 掃除のことだってそう。私がやるの。私が二人のいるところをきれいにして、私の居場所を作るの。

 なのに。

 私の居場所をとらないで。

 瑠璃はため息をついてうつむく。

 どんどん嫌な女になっていく。

 闇、ね。

 闇なら私も抱えているわ。

 駅の灯りに照らされ、足元には影が落ちていた。夜なのに影が濃い、と瑠璃は思った。




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