LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
41 瑠璃の嫌味
「最近店に出ることが多いわね。人を雇う必要なかったんじゃない?」
夫人が返ったあと、瑶煌をつかまえて瑠璃が言った。
「そういう君は嫌味が増えたな」
「誰のせいよ」
瑶煌は瑠璃をいぶかしげに見る。
「最近おかしいぞ」
前はまっすぐすぎるゆえに人と衝突することがあった瑠璃だったが、いまは理不尽に藍に接しているのを見かける。もしこれが一日中だとしたら、と瑶煌の頭に不安がよぎる。
「そうね、おかしくなっちゃったわ」
歯車が狂った。すべては藍という余分な歯車が増えたせいだ。
瑠璃の目に暗い炎が宿った。