LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「それで、何があったんだ?」

「ちょっとペンダントを見せてもらっただけ」

「返さなかったのか?」

「返そうとしたわよ。だけど、もう少し見たかったから」

 弱々しい声で瑠璃は言う。瑶煌は顔を険しくした。

「瑠璃が? あの子のペンダントを?」

 直哉は疑いを隠さない。

「そうよ。興味あったから」

「それで、割ったの?」

 直哉はトラブルの状況を見ていない。が、かけらを拾う藍の姿は見ていた。

「あの人が自分で落として割ったのよ。割れるときは割れる、知ってるでしょ?」

 瑶煌も直哉も答えない。

「信じて。本当よ」

 三人の間に沈黙が降りた。しばらくして、直哉が言う。

「絶対に瑠璃が何かしたよね」

「信じてくれないの? 私より会ったばっかりのあの人を信じるの?」

「だって最近の瑠璃は藍ちゃんに意地悪してたじゃん。いじめだよ」

「そんなつもりは……。それに、いじめって複数でやるものでしょ」

「一人でも十分いじめだよ。藍ちゃんをやめさせたかったんでしょ」

 瑠璃は黙る。

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