LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

45 告白

 藍が病院で診察室を終えて待合室に戻ると、直哉がいた。

「心配で来ちゃったよ。病院の支払いもしたかったし。労災だからね?」

「ありがとうございます」

 暗い表情で藍は頭を下げた。

 直哉が支払いをすませて二人で病院を出ると、そのまま駅に向かう。駅はすぐそこだ。

「少し話をしよう」

 と直哉が言った。

 藍は「帰りたい」と正直に答えた。

「そうだよね、大変だったもんね。夕方ものことも瑶煌から聞いた」

 直哉の声にいたわりの色が宿った。

「痛いのはほっぺただけ? ほかは? 頭打ったりしてない? 大丈夫?」

「大丈夫です」

 めんどくさくて、そう答える。客に倒されたときに多少頭も打っているが、たんこぶができた程度だ。

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