LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
それよりも胸が痛くて仕方がなかった。ナイフが刺さったような痛み。胸はケガしてなどいないのに。
原因を追究する気にはなれなかった。頭がぼうっとして、何も考えたくなかった。
「俺のせいだね。俺があの客を放置してたから」
「そんなことないです」
「まさかこんなことになるとは思ってなくて、ごめん」
「大丈夫です。謝らないでください」
直哉を見ることなく、藍は言った。
もう駅に着く。直哉と離れられる。
藍はほっとした気持ちで駅からもれてくる光を見た。
駅前は帰宅を急ぐ人たちでざわざわしていた。
「では、これで」
頭を下げて改札に向かおうとしたとき。
「藍ちゃん! 待って!」
直哉は藍を振り向かせ、抱きしめた。
驚き過ぎて声もでなかった。
通り過ぎる人が遠慮もなく二人をジロジロ見ていく。
「ほんとにごめん。俺のせいなんだ。俺があの人に、好きな人ができたって言ってしまったから」
藍は何も答えられない。
「もちろん、藍ちゃんの名前は出してない。だけど、店に最近入って来たのは藍ちゃんだけだからすぐ勘づいたみたいで、ごめん」
何度も重ねられる謝罪。
藍はうつろにぼやけた空を見ていた。夜なのに、星どころか月も見えない。
原因を追究する気にはなれなかった。頭がぼうっとして、何も考えたくなかった。
「俺のせいだね。俺があの客を放置してたから」
「そんなことないです」
「まさかこんなことになるとは思ってなくて、ごめん」
「大丈夫です。謝らないでください」
直哉を見ることなく、藍は言った。
もう駅に着く。直哉と離れられる。
藍はほっとした気持ちで駅からもれてくる光を見た。
駅前は帰宅を急ぐ人たちでざわざわしていた。
「では、これで」
頭を下げて改札に向かおうとしたとき。
「藍ちゃん! 待って!」
直哉は藍を振り向かせ、抱きしめた。
驚き過ぎて声もでなかった。
通り過ぎる人が遠慮もなく二人をジロジロ見ていく。
「ほんとにごめん。俺のせいなんだ。俺があの人に、好きな人ができたって言ってしまったから」
藍は何も答えられない。
「もちろん、藍ちゃんの名前は出してない。だけど、店に最近入って来たのは藍ちゃんだけだからすぐ勘づいたみたいで、ごめん」
何度も重ねられる謝罪。
藍はうつろにぼやけた空を見ていた。夜なのに、星どころか月も見えない。