LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 駅ビルの大型ビジョンではニュースが流れている。

 私は頑張ったのに。

 私がこんなにつらくても、世の中は動いている。

 不条理だ。理不尽だ。

「……宝石店に強盗が入りました」

 宝石店、という単語につられて瑠璃は大型ビジョンを見る。美人キャスターがニュースを読み上げている。

「警察では闇バイトとの関連を視野にいれて捜査しています」

 もし私が。

 瑠璃はニュースキャスターを悲しく睨みつけた。

 もし私が強盗に襲われたら、瑶煌は心配してくれるだろうか。そばにいてくれるだろうか。藍に向けたみたいな優しい目をしてくれるだろうか。

 ビジョンの光が、瑠璃をまだらに照らしていた。





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