LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

55 病室にて

 藍は念のために一晩入院することになった。

 二人部屋だったが利用者はほかにおらず、藍だけが窓際のベッドに横になった。

 瑶煌がつきそいで残ると言い張ったが、藍はそれを固辞した。

 眠りにつき、目が覚めたらもう瑶煌がいて焦った。

「おはよう、気分はどう?」

「おはようございます。大丈夫です」

 寝顔を見られた、と恥ずかしく思うが、以前にも見られていることを思い出す。

「そのままでいいよ」

 起き上がろうとする藍を、瑶煌が制した。

 まだ頭がぼんやりしている。

 瑶煌の言葉に甘えて、藍は横になった。

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