LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「自分のお店、夢だったんじゃ……」

「君を傷つけてしまった。俺に店を続ける資格はない」

 と悲しげに言う。

「私なんか気にせず、続けてください」

 瑶煌は首を振った。

「だから会社都合の退職ということで一時金を出すよ。引っ越しの足しになるといいんだけど」

「ジュエリーデザイナーは続けるんですよね?」

「それももうやめるよ」

 瑶煌は笑顔を作った。悲しみに満ちている。

 どうして。あんなに真剣に取り組んでいたのに。

 毎日残業して、毎日お客さんのために。

「どうするにしても、しばらくうちでゆっくりしなさい」

 母が言う。

 藍は思わず瑶煌を見る。

 瑶煌は笑顔のまま静かに頷いた。

 藍は観念したようにため息をつき、うつむいた。

「……わかった。帰る」

 藍の返事に、両親がホッとしたのがわかった。

 瑶煌の表情は、怖くて見られなかった。



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