LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

60 必要のないもの

 自宅に帰ってすぐ、両親は引っ越しの手配をした。母が残り、父は夜には帰って行った。

 瑶煌の父から渡された封筒を見せると、母はすぐに中身を確認し、驚いた。

「100万円の小切手よ。小切手なんて初めて見たわ」

 三人で「これが小切手かあ」なんて(なが)めたあと、「こんなの受け取れない」と意見が一致した。だが、どうやって返却したらいいのか。

 わからないまま、とりあえずは母があずかることになった。

 母は翌日の夜に帰っていた。

 もっとそばにいたいようだったが、母にも仕事がある。

 大丈夫だから、と説得して帰ってもらった。

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