LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「ストーカーがいます! 日長直哉さんという人のストーカー!」

 藍はストーカーに殴られたことを話した。

 塚田は丁寧にそれを詳しく聞いていった。

 あのストーカーならやりかねない、と藍は思う。

 これが捜査の進展につながることを願った。

 塚田が竹山を見てうなずく。竹山もうなずいた。

 その様子を見て、藍は胸騒ぎを覚えた。

 なんだろう、なんだか嫌な予感がする。

「その人が強盗の一人ってことですか?」

 見た目は全員が男性に見えたが。実行犯が男性なだけで、グルなのだろうか。

「IPアドレスってご存じですか?」

 刑事は答えず、質問した。

 急な話題変更に、藍は目をしばたいた。刑事が藍の様子をうかがっているのがわかる。胸にわいた不安が強まっていく。

「聞いたことあります。ネット上の住所、でしたっけ」

「大体そんな感じです。それで、PIERRE BLEU CIEL(ピエールブルーシエル)のパソコンを使って書き込まれたことがわかりました」

 藍は口をぽかんとあけて二人を見た。

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