LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「だって、言い訳のしようがないよ」

「どうして日長さんのせいなのか、きちんと説明してくれないと、まったく何もわからないままですよ?」

 日長はため息をついた。包丁を握る手に力がこもるのを、藍は見た。

「今日、警察がうちにきた。藍ちゃんのところにも来たんじゃない?」

「来ました」

 藍の手に汗がにじむ。

「だから、そういうことだ」

「書き込みをしたのが日長さんだということですか?」

「だから、そう言っている!」

 たまりかねたように声を荒げた。

 刑事に言われた時点で推察できていたことだった。

 だが、まだわかっていないこともある。

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