LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「あ!」

 藍は悲鳴にも似た声をあげた。

 ガシャン、と音が響く。

「ちょっと!」

 瑠璃が大きな声をあげる。

「どうした?」

 奥から瑶煌が現れ、つかつかと近寄ってくる。

「すみません、手がすべって……」

 コップが床に滑り落ち、派手に割れた。破片がちらばり、水が激しく飛び散っている。白バラだけが変わらず美しく咲いていた。

「パールにかかってないでしょうね!?」

 瑠璃が焦ったように言う。

「だ、大丈夫です」

 見る限りではしぶきが掛かっている様子はない。

「すぐに片付けます」

 と手を伸ばす。

「ダメだ!」

 藍は後ろから抱きとめられた。
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