LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「救急車は呼んだの?」

 瑠璃はそっぽを向いて聞いた。

「ああ。もうすぐ来ると思う」

「来る前にさ、瑠璃も本当のことを言って全部片をつけよう」

「何よ、本当のことって」

 直哉の言葉に明らかな狼狽を見せて答える瑠璃。

「あのカメオを入れたのはお前だろ?」

 瑠璃は黙って下唇を噛んだ。

「罪悪感をずっと背負って行くのはけっこう辛いって身にしみた。謝ったところで罪は消えないけどな。俺はさっきそれを言われたばっかりだ」

「そんな……そんなの……」

 瑠璃は言い淀む。

 にわかに言われたことをどう受け入れるのか、心の整理がつかないようだった。

 やがて、瑠璃はうつむいて肩を落とし、言った。

「そうよ。私がやったわ」

 藍は思わず瑶煌を見た。瑶煌はそっと藍の肩を抱いた。

「謝らないわ。悪いのはわかってるけど」

 ふてくされたように、瑠璃は言う。

「謝らなくていいです。謝られると許さないといけなくなるから」

 言い返した藍に、瑠璃は軽く驚く。

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