LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 今日が記念すべき再オープン当日だ。

「私も、そう思います」

「大変だったんでしょ、いろいろと。現場に私も居たらって思うとぞっとするわ。犯人が捕まってよかったわ!」

「そうですね……」

 強盗の犯人たちは闇バイトで知り合った者同士で、面識はなかったらしい。リーダー格が募集して、応募者が三人。ずさんな計画で痕跡もたくさん残しており、割とすぐに警察は行動を捕捉、逮捕となったらしい。

 ストーカー女は別の人へのストーキング中に住居侵入で逮捕された。

 直哉は犯罪教唆で送検されたが不起訴処分となった。

 瑠璃は別の業界に入り、一からやり直しているらしい。

「ま、仕事先がなくならなくてよかったわ。この年になるとぜんぜん採用されなくって」

 閉業する、と瑶煌から連絡がきたあと、純麗はすぐにいろんな求人に応募した。だが。なかなか採用されなかった。

 そうこうするうちに『再開するからよかったら戻ってもらえないか』と瑶煌から声がかかった。すぐさまとびついた。土日のみではなく平日も都合のつく時間は出てもらいたいと言われ、勤務日数が増えた。子供が塾を増やしたいとか言い出したところで、願ってもない話だった。

「それにしても『雨降って地固まる』を地でいく流れよね。あなたたちがくっつくなんてねえ」

「そ、それは、あの」

 藍は顔を赤くして返答に詰まる。





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