LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
16 歓迎会
「では、茅野藍さんを歓迎して、かんぱーい!」
明るく直哉が言ってグラスをつきだす。藍は隣の直哉とグラスをカチンと合わせた。瑠璃と瑶煌はグラスを少し掲げた。
夜、店に戻って来た直哉は、
「歓迎会やろう!」
と言い出し、瑠璃の反対をおしきって居酒屋での開催にこぎつけた。睡眠不足で早く帰りたかったが、藍に断る勇気はなかった。
四人掛けの席に、瑠璃と瑶煌、直哉と藍の並びで座る。ただでさえ緊張するのに瑶煌が正面にいるからさらに緊張してしまう。
周りにはにぎやかに話し声が満ち、笑い声が響く。
「明日は休みだし、がんがん飲もう!」
言って、直哉はビールをごくごく飲む。
「仕事のあとの一杯は格別だなあ!」
瑶煌に同意を求めるが、瑶煌はそうだな、と笑顔で短く答えるだけだった。彼は車の運転があるからとウーロン茶だった。
「バカじゃないの」
あきれて瑠璃はサワーを一口飲む。
藍はノンアルコールカクテルを頼んでいた。お酒は得意ではない。
「今日は経費で落ちるからガンガン飲んでね!」
「もう酔ってるの?」
「んなわけないじゃん! 盛り上げ役としてのポジションを自覚してる、だ、け」
最後をわざわざ区切って言う直哉に、瑠璃は軽蔑するように目を細めた。
「なんだよ、その顔。かわいいなあ」
「……もういいわ」
あきらめたように、瑠璃は言った。
やっぱりすぐに女性を褒めるのは直哉の癖みたいなものでなにも他意はないのだな、と藍は思った。ほっとしたような寂しいような。
明るく直哉が言ってグラスをつきだす。藍は隣の直哉とグラスをカチンと合わせた。瑠璃と瑶煌はグラスを少し掲げた。
夜、店に戻って来た直哉は、
「歓迎会やろう!」
と言い出し、瑠璃の反対をおしきって居酒屋での開催にこぎつけた。睡眠不足で早く帰りたかったが、藍に断る勇気はなかった。
四人掛けの席に、瑠璃と瑶煌、直哉と藍の並びで座る。ただでさえ緊張するのに瑶煌が正面にいるからさらに緊張してしまう。
周りにはにぎやかに話し声が満ち、笑い声が響く。
「明日は休みだし、がんがん飲もう!」
言って、直哉はビールをごくごく飲む。
「仕事のあとの一杯は格別だなあ!」
瑶煌に同意を求めるが、瑶煌はそうだな、と笑顔で短く答えるだけだった。彼は車の運転があるからとウーロン茶だった。
「バカじゃないの」
あきれて瑠璃はサワーを一口飲む。
藍はノンアルコールカクテルを頼んでいた。お酒は得意ではない。
「今日は経費で落ちるからガンガン飲んでね!」
「もう酔ってるの?」
「んなわけないじゃん! 盛り上げ役としてのポジションを自覚してる、だ、け」
最後をわざわざ区切って言う直哉に、瑠璃は軽蔑するように目を細めた。
「なんだよ、その顔。かわいいなあ」
「……もういいわ」
あきらめたように、瑠璃は言った。
やっぱりすぐに女性を褒めるのは直哉の癖みたいなものでなにも他意はないのだな、と藍は思った。ほっとしたような寂しいような。