ＬＥ ＣＩＥＬ ＢＲＩＬＬＡＮＴ 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

「私がダメなのはわかります！　だけど、教えてもらわないとずっとダメなままです！」

「ちょっと落ち着いて」

　見かねた瑶煌が藍の肩に手をおく。

「店長も！　日長さんも！　私が来るまで瑠璃さんだけに掃除をさせて！　掃除は女の仕事ですか！？　男女平等の世の中なのに！」

「いや、それは……」

　予想外の勢いに、瑶煌は驚いて一歩引く。

「酔っ払いをまともに相手しても無駄だって」

　直哉が笑いながら瑶煌を止める。

「でもちゃんと家に帰れるかなあ。酔った女性が暗がりに連れ込まれて、とかあるじゃん」

「そうだな……」

「本人の責任よ。そのまま帰したらいいじゃない」

「そうです！　帰れます！　私は大人です！」

　また手を挙げて藍が言った。

「いや、俺が送って行こう。今日は車で来てるし」

　それを聞いて、瑠璃はむっとした。

「どうしてよ」

「これが瑠璃でもそうしているよ」

　直哉が口をはさむ。

「じゃあ私も送って」

「逆方向じゃん。俺たちはおとなしく電車で帰ろ」

　直哉は瑠璃をなだめて駅へと向かう。

「一人で帰れます！」

　と言う藍の手をひいて、瑶煌はパーキングに向かった。