LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
20 打合せ
* * *
「で、どうだったの?」
会うなり直哉が瑶煌に言った。興味津々だ。同席する瑠璃はぶすくれている。
店内の応接室に、三人は座っている。定休日だから三人以外に人はいない。
「どう、とは」
「昨日、藍ちゃんを送って行ってさ」
「何もないよ」
瑶煌はそっけなく答える。いつの間に藍ちゃん呼びになったのか、少し不快でもあった。
「本当に?」
にやにやする直哉に、瑶煌はげんなりした。瑠璃の機嫌が悪い理由もわからない。
「そのわりには眠そうじゃん。睡眠不足だろ?」
「デザインを描いていたからだ。瑠璃のピアスの」
瑠璃の顔が輝いた。
「私の!」
「ふうん」
納得してなさそうに、直哉は目を細めて少し顎をあげた。
寝不足の本当の理由はデザイン画ではない。だがそれを言うわけにはいかない。
眠れるわけなどないのだ。藍が近くにいるのに。
どれだけ会いたかったか。
――どれだけ抱きしめたい衝動を抑えるのに必死だったか。
気を逸らすためにデザイン画を描いていた。それでも隣の部屋に藍がいると思うと気になって集中できなかった。
気になって仕方がないから、いつかプレゼントできたらと思いながら指輪のデザインを始めてしまった。
「で、どうだったの?」
会うなり直哉が瑶煌に言った。興味津々だ。同席する瑠璃はぶすくれている。
店内の応接室に、三人は座っている。定休日だから三人以外に人はいない。
「どう、とは」
「昨日、藍ちゃんを送って行ってさ」
「何もないよ」
瑶煌はそっけなく答える。いつの間に藍ちゃん呼びになったのか、少し不快でもあった。
「本当に?」
にやにやする直哉に、瑶煌はげんなりした。瑠璃の機嫌が悪い理由もわからない。
「そのわりには眠そうじゃん。睡眠不足だろ?」
「デザインを描いていたからだ。瑠璃のピアスの」
瑠璃の顔が輝いた。
「私の!」
「ふうん」
納得してなさそうに、直哉は目を細めて少し顎をあげた。
寝不足の本当の理由はデザイン画ではない。だがそれを言うわけにはいかない。
眠れるわけなどないのだ。藍が近くにいるのに。
どれだけ会いたかったか。
――どれだけ抱きしめたい衝動を抑えるのに必死だったか。
気を逸らすためにデザイン画を描いていた。それでも隣の部屋に藍がいると思うと気になって集中できなかった。
気になって仕方がないから、いつかプレゼントできたらと思いながら指輪のデザインを始めてしまった。