LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 このお店は三人が始めたもの。

 瑠璃にとっては藍は異物なのかもしれない。

 それならば辻褄が合う。合ってしまう。

 仕事など教えたくないはずだ。異物の邪魔ものに。

「セクハラ親父みたいよ」

 瑠璃が咎める。藍に対しては決してしない、そのくだけた口調。

「厳しいなあ」

 直哉はハハッと笑う。

「あれ、髪型変えた? かわいいよ」

 急に声をかけられ、ハッと我に返る。

「そ、そうですか?」

「だんぜん、俺の好み」

 さらっと言う直哉。前なら心が揺れていたが、今日は不思議と波立たない。それどころではない。

「ありがとうございます」

「あれ、今日は照れてくれないの」

 直哉は少しさみしそうに言う。

「あなたの言うことが軽いからよ」

「ひどいなあ」

「瑶煌は髪に何か言ってた? あの朴念仁(ぼくねんじん)

 朴念仁、久しぶりに聞いた気がする、とちょっとずれたことを思った。

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