LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 さっきは焦ったな、と瑶煌は思う。

 呼ばれて振り向いたら藍がいた。

 しかも、すごくかわいかった。

 特に、前日に藍と同じひとときをすごしたせいで、自分が舞い上がっているのがわかっていた。一緒に買い物をして食事をして、まるでデートだ。

 うかつに直哉の真似をしようとしたら「体で返して」なんて変なことを口走ってしまった。慣れないことはするもんじゃない。

 それでも、楽しそうに話を聞いてくれるのがうれしくて、この時間が一秒でも長く続けばいいと願った。

 買ってあげたスーツをさっそく着てくれたのも、うれしくて仕方がなかった。

 なんか俺、子供みたいだな。

 苦笑して、瑶煌は今日の仕事にとりかかった。



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